愛馬「理宝号」、8歳・月毛・体高130㎝・妊娠278日(馬の妊娠期間は、約340日)・2月22日撮影
女性の身長は、153㎝。
ウマの妊娠経過にともなう胎子の成長と性腺肥大
2月15日~17日で、鹿児島県指定文化財のトカラ馬の取材を行い、在来馬8種全ての取材が終わった。
そのため今回掲載にて、著者が考える「北海道和種馬」の「種」としてのあるべき姿(利活用)を述べ、終了とする。
尚、「日本海沿岸ルート説」の調査を進めて行くにつれ、「太平洋沿岸ルート説」の調査もしなければいけなくなった事が分かった。
当ブログは、「日本在来馬」の歴史研究をテーマとしているため「歴史学」を勉強することは当然のことであるが、必然的に「考古学」の分野と合わせ、環境・地質・生体・民俗学など色々の知識を得ずには進めて行くことは出来ない。
著者の目指すところは、「日本在来馬」のルーツであり、現在言われている「学説」に加え、上記の「2つのルート説」を解き明かし、東北地方が「名馬の産地」となった事を理解することにある。
また、「馬」が「農耕・荷駄」だけでなく、「軍馬」として使われた点に留意して、「馬具・武具」に加え「合戦」についても推論をしていく。
読者の方に上記の件につき、満足していただけるように完結させる時が、何時になるか予想が出来ない事を前もって述べて置きたい。
著者が聞き取り調査した平成27年度日本在来馬数
図のように、総数・1819頭のうち北海道和種馬が、1,205頭と全体の66%を占める状態にある。
因みに、日本在来馬の個体数が最も多かったのは、平成6年の総数・3,466頭で、そのうち北海道和種馬が、2,928頭(約84%)であり、最も個体数が少なかったのが、宮古馬・23頭であった。
ようするに、日本在来馬の総数の増減は、北海道和種馬の増減にあることがわかる。
北海道和種馬の飼養頭数と生産頭数の推移
まとめ:北海道和種馬の利活用方法は究極的に考えると、以下の5点である。
1:北海道和種馬が持つ独特の伝統技法である「ダンズケ」である。
「ダンズケ」がもととなる、完全な側対歩が出来る馬の作出が必要。
2:野外活動の活発化に伴うトレッキング
3:体高から考え、セラピー馬として使用する。
サラブレットより、北海道和種馬の方が、介助者の作業が容易であることが分かる。
4:現在各地で盛んに行われるようになった、流鏑馬に使用する。
装束は各団体で異なっているが、馬具(和鞍・舌長鐙)、乗馬方法については、あくまでも和式乗馬術で行って欲しい(鐙に体重を落とし、鞍に座らずに透かして乗る)
5:食肉
馬肉消費量の推移
馬肉輸入量の変化
馬肉は、他の畜肉と比べ、脂肪が少なくタンパク質含量が比較的高い。
輸入肉よりも、日本在来馬の肉の方が旨いとされ、中でも北海道和種馬は赤身と脂身の具合が良い言われている。
現在焼き肉屋で出される、「ユッケ」は全て馬肉である。
また、日本の食文化で伝統的な内臓料理として、「おたぐりーウマのもつ煮」や「なんこ鍋ーウマの腸の味噌煮込み」などがある。
引用 ウマの起源と家畜化
農用馬・在来馬の生産システム
ウマの繁殖
北海道和種馬の起源と利用・保存
北海道和種馬の地道に活用の道を模索
日本馬事協会・平成24年度事業報告「在来馬関係」
鈴木純夫