賀茂神社紋の双葉葵が描かれた旗を流し「くらべ馬ご奉納仕り候」と口上を述べる騎手
平成27年11月28日(土) 滋賀県近江八幡市加茂町の御猟野乃杜 賀茂神社で晴天のもと、午前の部:流鏑馬・馬上武芸、午後の部:くらべ馬が行われた。
今回は「くらべ馬」のみについて掲載する。
近江蒲生郡誌に、寿永3年(1184)5月6日当神社において神馬4頭による7組の走馬(そうめ)があったことが記されており、現在も保存会の手により毎年5月6日に「足伏走馬(あしぶせそうめ)」が行われている。
紅葉台木曽馬牧場(代表・菊地幸雄氏)主催により昨年に続き、「競技」としての「くらべ馬」を「くらべ馬愛好会」の趣旨に則り、8頭の馬で7番の取り組みを行い優勝を競った。
「くらべ馬」は、2頭の馬によるマッチレースで、ゴールから見て左側を「左方」・右側を「右方」と呼び、「左方」が赤色系・「右方」が青色系の袍(ほう)を被り、「左方」は赤色の房鞭を左手に・「右方」は紫色の房鞭を右手に持ち、太鼓2打の合図で、オー・オー・オーと声を3度掛け、息を合わせてスタートし、激しい鞭使いと怒声を上げ競い合い、先にゴールした「乗り尻ーのりじり(騎手のこと)」が勝利者となる。
馬披露目の儀
馬場慣らし
いよいよ取り組みです。
1番の取り組み
緊張感ある最初のスタート
しかし「左方」の乗り尻の気持ちが強すぎて、馬がバックしてしまい「右方」の勝ち
2番の取り組み
見事な両者のスタート
激しく競ったが「左方」の勝ち
3番の取り組み
「左方」一見冷静なスタート
しかし、「ゴール直前で「左方」が差し勝った
4番の取り組み
「左方」優勢な形でスタート
そのまま「左方」が逃げ切った (月毛は筆者の愛馬)
準決勝
1番の取り組み
決勝戦へ向けて気合の入る両者
激しい競い合いの結果「右方」が決勝戦へ
準決勝
2番の取り組み
女性同士、気合を入れてスタート
「左方」逃げ切り決勝戦へ
いよいよ決勝戦 平成27年の優勝者は?
女性同士で今年の優勝を競う「左方」気合の入ったスタートの瞬間!
「右方」が負けずとばかり猛然と追い込む!!
しかし「左方」が僅かに逃げ切り、平成27年の優勝者に。
優勝者の鞭に奉行の扇から上布が渡される
優勝者先導によるウイニングラン
今年も無事に「くらべ馬」のご奉納をさせていただくことが出来ました。
参加者の全体写真
中央の奉行役が筆者です。
引用 近江蒲生郡誌
協力 御猟野乃杜 賀茂神社
近江上布伝統産業会館
甲州和式馬術探求会
写真提供 林 佳夫氏
鈴木純夫